ロケツーリズムとはドラマや映画などのロケ地を観光することです。好きな作品の世界観に浸ったり、実際に役者が立っていた場所を訪れたりすることで、より作品を深く理解し、感動を味わうことができます。私が住む京都は撮影で使用されるスポットが多く、京都観光の目的としてロケ地を巡る人も多いです。
このロケツーリズムですが、観光という側面だけでなく、地域経済に大きな影響を与える可能性を秘めています。その魅力について、具体的に見ていきましょう。
ロケ地を訪れる観光客は作品の世界観に惹かれて訪れるため、その地域にとって新たな顧客層を開拓することができます。そして、一度訪れた観光客は作品のファンとなり、再び訪れる可能性が高まります。このような観光客は宿泊、飲食、交通費だけでなく、お土産や地元の特産品を購入するなど地域経済に貢献します。
ドラマや映画のロケ地としてメディアに露出することで、地域の知名度が向上し、観光客の誘致につながります。また、作品の世界観が地域の新たな魅力として認識され、地域のイメージアップに繋がります。観光客だけでなく地域住民も作品を通じて地元への愛着が深まり、地域活性化への意識が高まります。つまり、外側だけでなく内側からも地域活性化の可能性を秘めています。
観光客が増加することで、宿泊施設、飲食店、交通機関など観光関連産業の雇用が創出されます。また、地元の特産品や工芸品などが観光客に販売されることで、地域産業が活性化します。さらに、ロケ地ガイドツアーや関連グッズの販売など、新たな産業が生まれる可能性もあります。
ロケ地に関わることで、地域住民同士の交流が深まり、コミュニティが活性化します。また、ロケ地としてその地域が選ばれたことで、住民の地域への誇りが高まり、愛着が生まれます。その結果、地域の人口流出抑止に貢献します。
以上のように、ロケツーリズムは地域経済に対してプラス効果を与えます。しかし、いくつかの課題もあります。
まず、一過性のブームに終わらず、持続的な観光客誘致を行うために、継続的な取り組みが必要になります。継続的な取り組みを行うためには、それを維持するための体制が必要です。メディアへの情報提供はもちろん、それに対応できる人材の確保も必要でしょう。
観光客が増加することでオーバーツーリズムの問題が発生するかもしれません。オーバーツーリズムは観光客と地元住民との問題だけでなく、地元住民同士の間でもトラブルを発生させる可能性があります。つまり、メリットを享受する人と、そうでない人との間でロケツーリズムに対する印象が異なるからです。
そして、ロケツーリズムに対応するためには相応の予算が必要になります。観光客を誘致するためにはインフラ整備が必要であり、それには地域自治体の予算確保が必須です。地元住民はもちろん、首長や自治体で働く人たちの理解が求められます。
ロケツーリズムは地域経済の活性化に多大な効果をもたらす可能性を秘めています。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、地域全体で協力し、持続可能な観光地づくりを進めていくことが重要です。
