映画【本を綴る】京都のロケ地・スポット

作品概要

作家の一ノ関哲弘は小説が書けなくなったことから、全国の本屋を巡りながら本の書評や本屋についてのコラムを書いて生計を立てています。旅の中でさまざまな人との出会いや、昔の友人との再会を通じて、温かさや厳しさを感じながら自分が書けなくなった理由と向き合います。

哲弘には『悲哀の廃村』というベストセラーがありますが、それが書けなくなった原因でもありました。那須の図書館司書である沙夜と一緒に森の中の本屋を訪れた際、古書の中から恋文を見つけます。その手紙の宛先人に届けるために京都へ向かうことにします。

京都には哲弘の学生時代のライバルであり、現在は有名な書店の店長をしている同級生の功ニがいます。しかし、手紙の宛先人はすでに亡くなっており、その孫である花がおばんざい屋を営んでいました。花は婚約者を事故で亡くしてから前に進むことができずにいました。

香川で哲弘と再会した花は婚約者のお墓に行き、その婚約者が助けた女の子と母親に出会います。この出会いを通じて、花は自分の中にあった後悔から解放されます。

一方、哲弘は自分にまだ向き合うべきものがあると感じ旅を続けます。港町で移動図書館を手伝っている結城と出会い、彼が店長をしているバーを訪れた際、そこに『悲哀の廃村』が置かれているのを見つけます。その本を持ち込んだのは、哲弘が取材の舞台にした永谷集落の出身である漁師の源次でした。

哲弘は書きたくても書けなかった自分の思いと再び向き合うことになります。

※本作品には原作は無く、書店や本の魅力を伝えるYouTubeドラマ「本を贈る」の続編となります。

恵文社 一乗寺店

京都・一乗寺にある恵文社 一乗寺店は単なる書店を超えた、本の文化に触れることのできる複合文化空間です。古都の風情と現代的な感性が融合し、多くの人々を魅了しています。

使われたシーン

一ノ関哲弘(矢柴俊博)の旧友、小笠原功二(長谷川朝晴)が店長のお店

開風社 待賢ブックセンター

京都の街並みにひっそりと佇む「開風社 待賢ブックセンター」は、古民家を改装した小さな書店です。恵文社一乗寺店のような大型書店とは異なり、静かで落ち着いた空間で、じっくりと本と向き合いたい人におすすめの場所です。

使われたシーン

手紙の宛名にある朝比奈琴さんのことを尋ねに行く古本屋

錦一葉

京都の「錦一葉」は宇治茶にこだわったお茶とスイーツが楽しめる素敵なお店です。特に錦市場という京都の台所の中にあるお店は、観光客にも地元の人々にも人気のスポットとなっています。

使われたシーン

朝比奈花(遠藤久美子)が営むおばんざい屋「花」

寺町京極商店街

寺町京極商店街は京都市の中心部を南北に貫く寺町通りと、東に位置する京極通りが交差するエリアに広がる商店街です。伝統的な京町屋が軒を連ね、老舗の京料理店から最新のトレンドを取り入れたお店まで、様々なお店が立ち並びます。歴史は古く、江戸時代にはすでに栄えていました。かつては京の町人が日用品を買い求めに訪れる場所として賑わっていました。

使われたシーン

哲弘(矢柴俊博)と功二(長谷川朝晴)が「花」の店の後に歩く商店街

手織技術振興財団 織成舘

京都の西陣織の中心地にある織成舘は手織りの魅力を伝えるためのミュージアムです。江戸時代から昭和時代までの手織りの織物や衣服が展示されており、西陣織の伝統と技術の高さを知ることができます。

手織工房では職人が実際に織物を織る様子を見学できます。予約をすれば、実際に手織りを体験することもできます。職人さんの指導のもと、自分だけの作品を作ることができます。

使われたシーン

哲弘(矢柴俊博)が泊まっている宿の外観として撮影。花(遠藤久美子)が哲弘の帽子を届けに来るシーン

四条高倉付近

四条高倉は京都の中心部を東西に走る四条通りと、南北に走る高倉通りが交わる交差点です。古くから交通の要所として栄え、現在も多くの京町家が立ち並ぶ歴史あるエリアです。

使われたシーン

おばんざい屋「花」の前の道として撮影